え、前回、「はるな」という名前で登場した彼女は、訳あって、「春菜」と名前を変えました。まあ、読みは同じなのでごかんべん。
今回は、彼女が主演した、『倉吉文芸』96年度エントリー作品がめでたく、できあがりましたので、打ち上げ対談です。
本編の方は、結果が出る9月頃に公開予定です。
では……
「終わったねぇ〜、おめでとう! ヒロイン、ご苦労様」
「30枚、ぎりぎり使ったって、原稿用紙。最終的にはね」
「うむ。まだ5枚だぁ〜って、騒いでた頃からしたら、進歩ね」
「そりゃ、脱稿したんだもの」
「まね、さすがに〆切まぎわにはでっちあげるか、作者も」
「でっちあげるって、それは、ないでしょ、ゆかり」
「あ、ごめん。ヒロインを前にして言う台詞じゃないか」
「そうよ」
「で、どうだった? ヒロイン務めた感想?」
「うん。話したしね。しゃべりたいこと、ほとんど。結構、楽な仕事だったわ」
「……あたしの時は、1/3しか出番がなかったのに ^^;」
「でも、一番多かったんでしょ、出番は、ゆかりが」
「そりゃ、多かったんだけどね……ひどいの。作者ったら、『設定をあれこれ書いてみたら、ゆかりというのは、けっこう性格が悪いことがわかりました』ってんで、スペース広かっただけなんだから。夕祈さんなんか、まるで、『性格の良い女』の見本だし」
「それは、ひどい ^^; でも、それだけ、個性的なんでしょ、ゆかりは」
「どうだか ^^; まあ、作者も確かにそんなふうなこと言ってたけどね。それにしても……」
「それにしても?」
「春菜ちゃんって、多分、彼の書いたヒロインの中で、性格は一番いいわ」
「……えっと、ほめてると、思っていいの?」
「当然! 運送屋のピピあねごと良い勝負ね」
「そうかしら?」
「うん。性格が安定してるもの。変にひねくれてなくて、それでいて、個性的ってめずらしいわ」
「……ほめすぎ」
「でもね、本当言うと、ひとつ関心があったんだ、今回」
「なに?」
「手話なんて、どうやってお話の中で表現するんだろうって」
「その点は、うまく、表現してあるわ、なかなか」
「そうね。春菜ちゃんの、『手話訛りの日本語』も、それらしく書いてあるし」
「うそだって、本当はね。作者が、言ってた」
「確かに、読者はほとんど聴者だものね。それらしければいいって開き直ったみたいね、彼も」
「まあ、いいものね、不自然でなければ」
「じゃ、お疲れさま」
「どういたしまして。じゃ、またね」
「うん」
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